これだけお金をかけた日本映画は他にないんじゃないかな?そしてそれに見合うだけの大作にはなっていると思う。
原作で読んだのとは少々異なってはいるけれど、人類が自らの作り出したもので滅亡寸前まで追い込まれるも一筋の希望を見出す、という大筋はきちんと伝わってきた。
角川春樹のこの作品への思い入れは深く、角川文庫での文庫本化、角川映画での映画化、そして自身の出演(これはやりすぎ)まで。
SFというジャンルは一般受けしないと思うのだが、ハヤカワ文庫と角川文庫が頑張っているからこそ、一応の地位を保つことができている。
個人的にはただただ感謝するばかりだ。
小松左京はオマージュや焼き直しの多い作家で、この「復活の日」はネヴィル=シュートの「渚にて」、「虚無回廊」はラリィ=ニーブンの「リングワールド」のオマージュ、「首都消失」は「物体O」の焼き直しだ。
それでも、日本の本格長編SFを長年支え続けてきた功績は揺るがない。
『日本沈没』がリメイクされるようだが、以前の「首都消失」のような大失敗を繰り返していないことを切に願う。
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