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~古今東西の映画レビューを若干辛口で~
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5c078201jpeg「昭和20年9月21日夜、僕は死んだ」
というナレーションから始まるこの映画。

以前は、ジブリ作品の中での色の違いから敬遠していたのだが、これはこれで秀作だと思うようになった。

切ない。
とにかく切ないのだが、初見ではその切なさが、セツコやセイタが戦時下に死ななければならなかったその状況についてだった。
しかし、幾度目からか、その切なさはセイタの強情さによるものだと気づいた。

セツコとセイタを引き取ったおばさんは、口は悪く、自分の家族を優先していたけれども、それは当然のことだろうし、幼いセツコを連れてわざわざ防空壕に住む必要はなかった。
お金も、もっと早く引き出していればセツコは死なずに済んだかもしれない。

そんなことを言っても仕方がない。
けれども、切なくなるのだ。

最悪の状況下で、最悪の選択をしてしまった結果としての2人の死が、とても切ない。


いずれにせよ、こういった状況を簡単に生み出してしまう戦争というものの怖さを忘れぬよう、世代を超えてこの作品が愛されることを願う。

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2ea2db22jpeg文部省推薦映画として、小学校の体育館で上映された記憶がある。


この作品ではなんと言っても「埴生の宿」の合唱が心に残る。
戦地において、故郷を想う気持ちは強いだろう。
残してきた家族、友人を想うとき、何としても国に帰りたいと思うのだろう。

しかし、その一方で、死んでいった戦友のために自分達も討ち死にしなければならないという隊もあった。
そして水島は、戦死者を弔うために残ることを決めた。


それぞれ、誰が正しいというものではないのだろう。
誰もが、その正しいと強く信じるところのために自分の人生を選んだ。
ただそれだけだ。

戦争というものは、そういった個人の信じるものを否定すると同時に、その終わりには却って浮き彫りにするのかもしれない。


歌や音楽は、そんな戦争のでも、何らかの力を持っているように思う。

0a18f3f3jpegもしこれが「マゾの宅急便」だったら。
箒から落ちたり、お届け先でネチネチと小言を言われたり、そういったことに快感を覚えるのだろう、きっと。

と、不謹慎なことを考えていたのだが、ちょっとネットで検索してみると出るわ出るわ…。
やはり同じことを考える人はたくさんいるのだな。


そんな薄汚れた大人になってしまった僕にも、この作品は感動を運んでくれる。

キキが街へ出て、子供から大人へ変わる数日間を切り取ったこの作品。

「なんとなく飛べる」から「飛びたいから飛ぶ」への変化は、僕らが成長してきた過程とかぶるものがある。

できることを普通にしているだけでは、人は成長しない。
できないことをできるようにするから、人は成長するのだろう。

ふとしたことから魔法が弱くなり、飛ぶこともジジの言葉を聞くこともできなくなったキキが、友達のトンボを助けたいと願い、デッキブラシで空を飛ぶ。
そして見事に空中でトンボをキャッチ。

このシーンは何度観ても心地よい。


ジジの言葉は結局聞けるようにならなかったのだけど、それは僕たちが少年少女時代に置いてきたいくつかの感性を表現しているのかもしれない。

懐かしい気持ちにさせてくれる映画だ。

6730c900jpegこれもまた微妙な仕上がり。


オリジナルと比べると、タイムパラドックスについて配慮してあるのだが、やや詰めが甘い。

信長になって歴史を修正しようとした的場と、結局は他の人物を信長に仕立て上げた鹿島。
どっちもどっちではないのか?

分かりやすい正義を表現するだけが映画ではないが、分かりにくいなら分かりにくいなりにもう少しきちんと詰めてほしいのだが。


これもまた戦闘シーンを撮りたかっただけの映画なのかもしれない。
残念。

6d074320jpeg千葉真一が俳優業引退とのこと。


本作の原作は半村良で、小説だけでなく漫画でも人気の作品。

僕も好きなのだけど…。

テーマがテーマだけに戦闘シーンがやたらと長いのは仕方がないとしても、川中島の戦いであっけなく近代装備が負けてしまうというのがどうにも納得がゆかない。

その割りに結局信玄の首は取るのだから、「だったら最初からそうしとけよ!」とツッコミを入れたくなる。


タイムスリップに伴う歴史のゆがみ云々を排除して人間の本質を表現しようとしたのか、それとも戦国時代の騎馬・足軽と近代兵器との戦闘シーンを撮りたかっただけなのか、なんとも微妙な作品に仕上がっている。



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