「昭和20年9月21日夜、僕は死んだ」
というナレーションから始まるこの映画。
以前は、ジブリ作品の中での色の違いから敬遠していたのだが、これはこれで秀作だと思うようになった。
切ない。
とにかく切ないのだが、初見ではその切なさが、セツコやセイタが戦時下に死ななければならなかったその状況についてだった。
しかし、幾度目からか、その切なさはセイタの強情さによるものだと気づいた。
セツコとセイタを引き取ったおばさんは、口は悪く、自分の家族を優先していたけれども、それは当然のことだろうし、幼いセツコを連れてわざわざ防空壕に住む必要はなかった。
お金も、もっと早く引き出していればセツコは死なずに済んだかもしれない。
そんなことを言っても仕方がない。
けれども、切なくなるのだ。
最悪の状況下で、最悪の選択をしてしまった結果としての2人の死が、とても切ない。
いずれにせよ、こういった状況を簡単に生み出してしまう戦争というものの怖さを忘れぬよう、世代を超えてこの作品が愛されることを願う。
PR