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~古今東西の映画レビューを若干辛口で~
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9236edf9jpegサーフィンのドキュメンタリー。
と言ってしまうとなんだか固いイメージになるが、とてもクールで落ち着いた感じの作品。
ずっと流していたくなる映像。

チューブしてるサーファーを追うカメラが、波の背後に回って水中からサーフィンの軌跡を映すシーンは圧巻。

「人生楽しく行こう!」
…だよね。
だよね!

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c298cbd7jpeg「ホロコースト」という邦題がついてはいるが、作品中でそれがクローズアップされることはない。
虐殺シーンは一切なく、死体も出てこない。 

ただ、収容所に向かう貨物列車と、収容所から戻る貨物列車が、扉が閉まっているか開いているかで表現さているのみだ。
この象徴的なシーンは随所に挿入される。

この作品は、ホロコーストを批判したものではないのだ。


主人公は2人。
SS中尉のゲルシュタインとカソリック神父のリカルド。

科学者であるゲルシュタインは大量虐殺に疑問を抱き、カソリック教会に告発する。
リカルドはその告発を受け、世界に向けて非難宣言をするよう法王に働きかけるのだが。


宗教が肥大化する時、それは権力となり、神から離れてゆく。
集団を守るため、地位を守るため、権威を守るため、いろいろな理由はあるだろう。

非難したところで何も変わらなかったかもしれない。
それでも、カソリックがユダヤ人を見捨てたことは確かであり、ホロコーストはそういったネガティブな形の協力によって成立したのだと、この作品は言っているのではなかろうか。

ヒトラーだけが虐殺を行ったのではない。
彼を止めなかった周囲の人間も、彼を政治中枢に送り込んだ国民も、知りながら止めようとしなかったカソリックを始めとする宗教界も、世界中の人も、それぞれが罪の意識を持たねばならないのではないか。

そして、それを知っている我々の一人一人が、こういったことを二度と起こさぬよう、意識するべきなのではないかと、そう思わされる。

今、この瞬間にも、地球上では同じことが繰り返されている。
スーダンのダルフール紛争では、すでに20万人とも言われる虐殺が行われている。

何ができるだろうか。

b421187fjpegおじいさんに邪険にされるパイケアに感情移入してしまう。

伝統を守ることに一途なおじいさんと、誰よりもマオリの伝統とおじいさんが好きなのに、女であるというだけで拒絶されてしまうパイケア。

ある日、守り神のような存在であるクジラが浜辺に打ち上げられる。
皆が力を合わせても、どうしても動かない。
パイケアはその背に乗り、クジラを海に帰す。

ニュージーの雰囲気をきちんと出した映像と、心地よい余韻を残すラストもいい。

秀作。

99e5cd00.jpg重い。

「テロはよくない」
「人を殺すことはよくない」

そう簡単に主張する人たちは、命の尊さについて真剣に考えたことがあるのだろうか。
理想と現実について真剣に考えたことがあるのだろうか。

宗教・イデオロギーは簡単に人の命を凌駕する。
人から思想を除いたら、命は残ってもただのモノに変わってしまうからだ。

何を守るべきなのか、何を示すべきなのか、誰と戦うべきなのか。

愛する人のため、祖国のため、妄信的に人を殺める行為は、確かに嫌悪感を抱かせる。

しかし、戦争という名の下に無差別に兵士を殺す行為を見過ごしながら、お題目のように「テロは悪だ!」と叫ぶことの矛盾は、それ以上の嫌悪感を生む。

肯定できないが、理解はする。
そういうスタンスしか取ることができない。

それでも、我々は少しずつ前進しなくてはいけないのだろう。
命が「理不尽に」奪われない未来に向かって。

4822f94cjpegビッグウェーブ。

デカい。

とにかく、デカい。

ドキュメンタリーなので、もちろんCGとか一切なし。
そもそもそんな予算はない。

ただただ、デカい波に乗りたいというサーファー達を撮ったこの作品。

海のエネルギーを感じさせてくれる。



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