バート=ランカスターとデボラ=カーは貫禄の演技。
大人の男と女が渋い。
大人の男女がお互いを理解することはとても難しいことだろうし、自分がどんな人間かなんて自分の口から言っても仕方ない。
相手の過去に拘るのは自然ではあるけれども賢いことではなく、ただ受け止めるしかない。
若い頃は恋も単純なものだったが。
と、そんなことを考えながら観ていた。
1953製作のモノクロ作品なので、現代映画と比べてしまうとその映像もストーリーも限界があると感じてしまうが、その範囲内でよく作られた作品だと思う。
軍隊と一兵隊という関係を集団と個人として捉えると、この作品に含まれた思想が伝わってくる。
集団が個人に権利と責任を与え、それぞれを利用してうまくやる者とそうでない者がいる。
それは個人と個人の関係についても言えることかもしれない。
自分が正しいと思うことを貫き通すのは周囲に迷惑を掛けない範囲にすればいいと思うのは、きっと僕が若さを失ってしまったからだろう。
そしてまっさらな女性に魅力を感じなくなったのも。
いい作品ではあるが・・・。