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~古今東西の映画レビューを若干辛口で~
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7999773ejpeg純朴だ。

お金をあげることでしか「好き」を表現できないラティフだが、それは文化と年齢の違い。
少々気恥ずかしく思いながらも、一途なその想いに応援したくなってしまう。

現場監督のメマルの人柄も好きだ。
労働者の賃金を握りこんだりするが、泣きつかれると弱い。
人間ってそんなもんだよな、と古き良き時代が懐かしくなる。


終盤ではフレンチヌーベルバーグの模倣ではないかというシーンも見られるが、とても基本に忠実な美しい映画だと思う。

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AI.jpg…。
なんだこれ。

愛はエゴだと言いたいのだろうか。


人間になってお母さんに愛されたくて、2000年も前に死んだお母さんを1日だけ蘇らせる。
それって何だろう。

正直なところ期待外れ。
テーマが重いだけに、お涙頂戴のエンターテインメントではなく、もう少ししっかり描いて欲しかった。

まぁスピルバーグのSF系だから仕方ないか…。

9784703djpeg「セブン・イヤーズ・イン・チベット」のジャン=ジャック=アノー監督。

第2次世界大戦中、スターリングラード(現ボルゴグラード)戦でのスナイパー同士の一騎打ちを描く大作。

ジュード=ロウとエド=ハリスの男が匂う。

だが、やはりエドのほうにより男を感じるのは、そこにSEXが入り込まないからだろう。
エンターテインメント的な要素として恋愛を持ち込むのはいいのだが、この作品に果たしてそれが必要だったのか。
最後のお涙頂戴の再会シーンも、男の一騎打ちの余韻を汚すものでしかないと思うのは僕だけではないだろう。

作中のダニロフは言う。
「人間は変わらない。自分にないものが欲しくなる。人間の社会ではソビエトでさえ貧富の差が生まれる。才能のある者。ない者。愛に恵まれるもの。恵まれないもの。」
確かにそうだ。
でも、あんなにあっけなく自分の命を差し出せるわけはないだろう。


メインテーマとところどころに光るいいシーン。
だがやはりアノー監督らしい中途半端な作品になっている。残念。

95a64633jpegこれはこれで。
大作だし、映像もきれいなのだが。

一介の登山家が、一国の長と親密になれてしまうというこの状況。
中国によるチベット侵攻を批判的視点で捉えながらも、欧米上位視点は当然のこととしている。
それは仕方ないと言えば仕方ないが、やはり遣り切れない。

そして中国の将軍がダライ=ラマに接見するシーンとチベットに侵攻する中国軍のシーンでは、かつての日本の姿もこうであったろうという思いに遣り切れなくなる。

それでもこれは創作であり、中国はチベットに侵攻していないと主張している。
映画を観て、「これが事実だ」と思い込むのは非常に浅はかな行為であると思うが、歴史を鑑みるに中国も日本も、そしてその他の国々も、同様の侵略行為を行ってきたのだろう。

そういった不条理の中で、一個の人間として何ができるのか、強さとは何なのか、正義とは何なのかを僕らも真剣に考えなければいけないのだと思う。

ブラッド=ピットのPVのようなこの作品だが、時間さえあれば観ておいて損はしないと思う。

8498ad77jpeg美しい者は生まれた時から特権を持っている。
美しくない者の中で弱い者は食われる。
強くあろうと心の底から願う者だけが生き残れる。

それは現代にも通ずる真理かもしれない。

社会の尺度はその強さの定義を変えはするが、弱者が結局食われることに変わりはない。

強さを求めるならばそこに既存の正義は必要ない。
邪魔なだけだ。

そうして強さを手に入れた者が望む社会が生まれ、それが新たな正義を作る。

歴史とはその繰り返しで、我々人間はそこから色々なことを学びながら少しずつ正義をより正義に近付けてゆくものなのだと、この作品を観る度に思う。


弱者をいたぶるのはこれもまた弱者であり、他者の非難によって自己を確立するという愚かな行為に過ぎない。
それでも、世の中がまだ豊かでない以上、そもそも飽く事を知らない人類がどこまでゆけば豊かになるのかは誰も知り得ないが、そこには弱者が必ず存在し、こういった行為が生まれる。

過去の話ではない。
今現在もアフリカ諸国、中東諸国では同様の行為が繰り返されている。
この日本においてさえ、程度や形は違えども、同様の行為は行われている。

正義と強さはほとんどの場合において両立しない。
それが両立するのは強さの結果として正義が成る場合だけだ。
だからまず、強さを手に入れることからはじめなくてはいけない。


非常に重いテーマを含んだこの作品。
スピルバーグが娯楽主義と別に取り組んだ本作とシンドラーズリストには、彼がユダヤ系というコンプレックスを払いのけるための意志が込められているように思える。

長編なので時間のある時にどうぞ。



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