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~古今東西の映画レビューを若干辛口で~
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568c5c3ejpegあまりにも有名な、イグアスの滝から十字架を背負った人が落ちてゆくシーン。


監督は「キリングフィールド」のローランド=ジョフィー。
音楽は「ニュー=シネマ=パラダイス」のエンニオ=モリコーネ。
これでいい映画ができないわけがない。
とは言うものの、この作品でカンヌのパルムドールを受賞後、彼の作品はあまりよろしくないのだが。(「スカーレットレター」ではラジー賞にノミネートされている…。)


テーマが宗教と征服(殺人)なので非情に重いのだが、南米の自然を撮った映像が美しく、殺伐とした雰囲気を和らげている。
しかし、やはりこの人間の根源的な矛盾・葛藤はそれだけで覆い隠せるものではなく、生きてゆく際に、何かを主張する際に、他の何かを犠牲にせねばならないのだということを改めて気付かされる。

そういった意味では、デ=ニーロ演じるメンドーサの殺すという行為の捉え方、変化してゆくそれ、そしてガブリエル神父の捉え方は、異なり対立しているようで本質は同一なのかもしれない。


異質なものを受け入れるのか排除するのか征服するのか、それは個人レベルと異なり集団レベルにおいては排除あるいは征服が選択される。
そこにおいてはソフトもハードもない。
ただ、メンドーサもガブリエルも、その信ずるところに従って彼らの側についた。

それで良かったのではないか。


それにしてもいい映画だ。

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18892b7cjpeg「オーシャンズ11」ではなく、そのオリジナル版のほう。

豪華キャスト。
フランク=シナトラ、サミー=デイビスJr、シャーリー=マクレーン。
やはりシャーリーはキュートだ。

ストーリーはイマイチ。
中だるみというよりも全だるみと言ったほうがいいかもしれない。
最後にお金が燃えてしまうのはなんかいいけど。

名作とは決して言えないけども、まぁこれはこれでいいんじゃないかな?

6d82da9ajpegなんだか重いのか軽いのか微妙な作品。

コロンビアという国の暗部である麻薬問題と貧困に触れながら、それをさほど浮き彫りにはしていない気がした。

主演の女の子は確かにかわいいのだが、ただそれだけ。

それだけ。

52186168jpegうん、「人」じゃないね。

予告編では「地底人」というフレーズが使われていたので、すっかりそんなイメージでいたのだけど、きっちり裏切られた。

原題は「Cave」。
そのまま使えばいいのに。

B級映画だと思い込み、それを楽しみにしていた分だけ、期待を裏切られた。

しかし、内容としてはしっかりしている。
ありきたりの王道パターンではあるけれど、緊迫感とラストの締めもちゃんとあり、A級映画の一番下あたりに、つまり木曜洋画劇場とかでやっていても決して見ないであろう位置には据えることができる。

微妙ではあるが、劇場で観た分を割り増しして・・・でもやはり微妙か・・・。

5d3db1b4jpeg映画館で観た時と今ではこの作品に対する評価が違う。

素直にこれをいいと思えたのは、
きっとその時僕が一生懸命に恋をしていたからだろう。

 

誰かを愛するということは即ち自己愛で、激しくなればなるほどそのぶつかり合いから逃れることができないのかもしれない。
そしてそれは成熟した大人としては認めることのできないものなのかもしれない。

それでも。
それでも、恋は人を生かすもので、人を殺すもので、それだけの力を持っている。
大人になり、いろんなことが分かってゆく。
そして、無駄だと思うものを、正しくないと思うものを、その人生から少しずつ削ってゆき、残った理性で生きてゆくのは楽しいことだろうか。


物語は再会で終わり、その後について語られることはない。
その先に待っている人生が幸福なものとなったのか、それは分からない。
願望が現実に変わった後、その間を埋めることができれば、きっと彼らは幸福になれただろうと、そう想像するしかない。

 

今は、このよくできた物語にただただ感心する。
小説としても、映画としても、これは本当によくできた物語だと思う。



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