あまりにも有名な、イグアスの滝から十字架を背負った人が落ちてゆくシーン。
監督は「キリングフィールド」のローランド=ジョフィー。
音楽は「ニュー=シネマ=パラダイス」のエンニオ=モリコーネ。
これでいい映画ができないわけがない。
とは言うものの、この作品でカンヌのパルムドールを受賞後、彼の作品はあまりよろしくないのだが。(「スカーレットレター」ではラジー賞にノミネートされている…。)
テーマが宗教と征服(殺人)なので非情に重いのだが、南米の自然を撮った映像が美しく、殺伐とした雰囲気を和らげている。
しかし、やはりこの人間の根源的な矛盾・葛藤はそれだけで覆い隠せるものではなく、生きてゆく際に、何かを主張する際に、他の何かを犠牲にせねばならないのだということを改めて気付かされる。
そういった意味では、デ=ニーロ演じるメンドーサの殺すという行為の捉え方、変化してゆくそれ、そしてガブリエル神父の捉え方は、異なり対立しているようで本質は同一なのかもしれない。
異質なものを受け入れるのか排除するのか征服するのか、それは個人レベルと異なり集団レベルにおいては排除あるいは征服が選択される。
そこにおいてはソフトもハードもない。
ただ、メンドーサもガブリエルも、その信ずるところに従って彼らの側についた。
それで良かったのではないか。
それにしてもいい映画だ。
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