全体的には良くできていると思うし、イタリア系アメリカ人の雰囲気が十分に伝わってくるハートフルな作品なのだけど。
シェール演じるロレッタに魅力を感じないのと、初めて会った婚約者の弟とすぐ寝てしまうという野放図ぶりに呆れたのとで、僕としてはいただけない映画だ。
動物じゃないのだから。
いくら魅力を感じたとしても、いくら恋は盲目だと言っても、人としてやってはいけない行為というものがあるだろうに。
愚かにも程がある。
それでもこれは映画なのだから、見るべき点はそこではないのだろう。
確かに、各所の人間模様には暖かみや愛情を感じさせるものがあり、日本にはない距離感が羨ましく思える。
冒頭のレストランでのシーンは人の生活が周囲の人間との距離のとり方によって厚みを増すのではないかと考えさせてくれるし、ニコラス=ケイジ演じるロニーとロレッタの家族の距離感は、形式ではなく心の持ち方がより重要なのではないかと思わせてくれる。
軸の部分がどうしてもいただけないが、総合的にはまぁ普通の映画といったところか。
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