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~古今東西の映画レビューを若干辛口で~
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4346baa1jpeg1984年 米

重い。娯楽映画を観る感覚で入ると受け止めきれない。

特に後半部分の大量の人骨のシーンは、体が嗅覚を反射的に麻痺させようとするくらいのリアリティーを持っている。


クメール・ルージュ=ポル・ポト派を知っているだろうか。
1975年から1979年までのわずか4年間に、自国民700万人のうち80万から330万人とも言われる大量虐殺を行ったカンボジア共産党の別名である。
知識を持っているものは悪であるとし、農村への移住と強制労働、飢餓によりそれだけの自国民を結果的に死に至らしめた。

これは同様に共産党政権下の中国における文化大革命の影響を受けたものであろう。こちらでは数百万から数千万とも言われる人が10年ほどの期間で所在不明になっている。


そういった現実を、映画というフィルターを通して第三者的に眺めることには後ろめたさを感じざるを得ないが、少なくとも、こういったインパクトを受け止め、そして記憶にとどめておくことが、国民から乖離しようとする政治に対する抑止力となるのではないかとも思うのである。


作中でプラン役を演じたハイン・S・ニョールは、素人俳優である。だが、彼が実際に体験した4年間の弾圧と強制労働が、彼の演技を深いものにしていることは間違いない。


余談ではあるが、彼は80年にアメリカに渡り、96年にロスの路上で強盗により射殺された。
強制労働を生き残った彼がそういった死に方をするというこの人生の皮肉には、何かやるせないものを感じてしまう。


ぜひとも心の準備をしてから観てほしい。

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