銃社会に対する痛烈な批判。
ただマイケル=ムーア作品の場合、それを全て鵜呑みにするわけにはいかないが。というよりも、全てのドキュメンタリーは恣意的であり、全てのノンフィクションはフィクションであるということを常に頭に入れておかなければならない。
アメリカ政府が右だとすればマイケルは左。その中庸となる点を自分自身で見つけ出す必要がある。
コロンバインで高校で起こった2人の生徒による銃乱射事件。彼らはその日の朝ボーリング場で楽しそうにゲームをした後、学校へ向かい、そして1人の教師と12人の生徒を射殺した。
なぜこんなことが起こったのか。
多くのメディアは、マリリン=マンソンのような反社会的な音楽の責任だとした。
マイケルはその原因をアメリカの銃社会の責任だとした。
作品の中で、マイケルは全米ライフル協会の活動を非難し、その会長であるチャールトン=ヘストン(かつての名俳優が今では…)を非難した。
それとは対照的に、マリリン=マンソンには非常に好印象なコメントをさせていた。
こういったところが、非常に恣意的で事実をデフォルメしているという批判を受けるのだが、これはもっともなこと。
ドキュメンタリーと銘打っている以上は、事実を客観的に示す必要がある。
これはあくまでも彼の主張を広めるための作品であり、「映画」なのだ。それを彼が認めた時、彼の評価はもっと上がるような気がしてならない。
とにかく、一度は観てみることをお奨めする。
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