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~古今東西の映画レビューを若干辛口で~
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7ac9e83ejpeg1991年の作品。

凡庸な佳作。

ではあるが、ヴィゴ=モーテンセンの演技には一見の価値がある。

深く掘り下げようとするならば、「世の中が間違っている」と絶望することは本当に意味がないのか?という疑問に行き着く。作中では何のジャッジも下していないから、その答えは観たもの各自が見つけなければならないだろう。

ショーン=ペンの初監督作品であり、助演としてチャールズ=ブロンソン、デニス=ホッパーを起用しているため、中途半端な娯楽作品の感は否めないが、各所に「ニューシネマ」への憧れがみられる心地よい作品だと思う。

ジャニス=ジョプリンやC.C.R、TheBandなどの楽曲も、シーンとマッチしたきれいな組み合わせを見せてくれる。

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3e63dabdjpeg1951年の作品。この時代の映画には、監督の想いが込められ滲み出ている。それをどう受け取るかは人によって異なるが。


「死」と「別れ」。

それをいつどのように理解するのか。


いろいろな死を十字架遊びとして扱う幼い二人。それぞれに肉親の死を抱えながらも未だ「死」を受け止めきれない幼い心。


有名なラストシーン。

ポーリーンが叫ぶ。

「ミシェール!」
「マーマ!」
「ミシェール!」

ミシェルとの生き別れとママとの死別。そこになんらかの違いがあったのだろうか。


感情移入しなければ単なる古典名作として楽しむこともできる。ただ、ナルシソ=イェペスの名曲に心を煽られながら、ポーリーンの視点で観るとおそらく何かがそこに加わると思う。

dbd6444cjpegオリジナルは1942年製作。

僕が観た中ではもっとも古い作品。なんせ第2次世界大戦中に撮られたものだから。


まずは客観的に。

ハンフリー=ボガートとイングリッド=バーグマン。ナイスカップルである。現実にそんな組み合わせが存在するかどうかは別として。

舞台はフランス領モロッコだが、そこでナチスに迎合しながらも心は折れずに小さく抵抗を続ける市民の姿。ファシズムに対する戦時中のプロパガンダだろうか。

「君の瞳に乾杯」「そんな昔の事は覚えてないさ」「そんな先のことは分からない」など、とにかくセリフが寒い。今、そんなセリフを言ったら、周囲100メートルくらいが凍りつくだろう。


そして主観的に。

素敵だ。
とにかく素敵だ。

恋愛映画としてではなく、男のもろさとその奥にあるものを見つめる映画として。


男として、譲れない部分。守るべきもののために、普段は隠している男の部分。それでも最後の一線だけは譲れない。

 

男性諸君、「ラ・マルセイエーズ」と「署長」。この二つのキーワードを頭の片隅に置いて、ウイスキーでもやりながら観てくれ。


余談ではあるが、寺沢武一の「コブラ」はこの映画の影響を強く受けている。コブラ好きな方は是非。

3304676bjpeg1967年の作品。

若い二人の恋の物語。・・・ではあるが。

全編を通じて流れるサイモン&ガーファンクルの素敵なメロディーと、あまりにも有名なラストシーンのおかげで、この映画には純愛のイメージが付きまとうが、そんなものではない。

不倫あり、ストーカー行為あり、全くもって純愛とはかけ離れたものなのだ。


金持ちのぼんぼんで優等生、そして童貞のベンジャミンが帰郷し、ロビンソン夫人に誘惑されて不倫関係に。

そしてあろうことかその娘エレーンに恋をし、不倫関係は周囲に知られるところとなり、本当にぐだぐだになってゆく。


ストーリー自体もバランスが悪く、エレーンとベンジャミンのキャラクターがしっかりしていないため、「なんでそうなるの?」という非現実感が浮き立つのも事実である。


しかし、だ。そんなことも含めて、やはりこの映画は名作なのだ。

最後の教会からエレーンを連れ出すシーン。そしてバスに乗った二人の、喜びと不安の入り混じった表情。バックに流れるのは「Sound of Silence」

「映画を観た。」という後味を心地よく残してくれる作品だ。


余談ではあるが、ロビンソン夫人役のアン=バンクロフトの演技にも注目してほしい。大人の女とはこういうものだと教えてくれるだろう。ちなみに彼女は昨年の5月に惜しくも亡くなられている。

85dac86bjpeg2000年公開。日本でも話題になった本作は非常に評価の分かれる作品である。

ビョークの歌、挿入されるミュージカル、悲劇的な結末。

確かに話題性はあり、ある人々にとっては深く考えさせる映画という印象を与えるものかもしれない。


悲劇的な状況にある女性が悲劇的な結末に向かって愚かな行為を繰り返しつつ自己反省もなく現実逃避しながら突き進んでゆく。

そこに何を見つければよいのか。そこから何を受け取ればよいのか。

映画に限らず、表現物全般に言えることなのだが、「感情の誘導」を意図して作られたものには、あざとさを感じずにはおれない。

トリアー監督はデンマークの新鋭監督であり、確かに映画界における評価は高いが、どうも「芸術家気取り」が鼻についてしまうのである。


ビョークが好きな人、カトリーヌ=ドヌーヴが好きな人、不思議ちゃんが好きな人、「変わったものが好きだ」と人に言いたい人にはお奨めだが、それ以外の人にはお奨めできない。



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