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~古今東西の映画レビューを若干辛口で~
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947585cejpeg1963年の作品。

いわゆる「普通の映画」ではない。

全編セリフなし。吹き替えの歌がセリフの代わりになっている。


フランスは、1954年から1962年まで第2次世界大戦後の植民地問題としてアルジェリア戦争を経験している。

この映画の撮影は、まさにその只中に行われた。


ジュヌヴィエーブとギイの若さ溢れる恋と、戦争に弄ばれる二人の関係、そしてその結末は…


古い映画を観慣れていない方にはやや退屈かもしれないし、ミュージカルに精通している方には物足りないかもしれない。

ただ、カトリーヌ=ドヌーヴの魅力とミシェル=ルグランの曲は、そしてガソリンスタンドのシーンは、人生に何かを付け加えてくれるだろう。

なにも考えずに、なにも期待せずに、一人の夜に観てほしい。

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74e8c4d3jpegミュージカルである。

フランスの新旧8人の有名女優が出演している。

以上。


本当にそれだけの映画なのだ。

フランソワ=オゾンの作品は、本作と「焼け石に水」しか観ていないが、彼の描きたいものはこれではないのではないかと思ってしまう。

フランス人にとっては豪華なキャスティングで、それだけで満足なのかもしれないが、それぞれの女優のパーソナリティーに疎い人間が観ても、「ふ~ん…」という感じである。

ストーリーは非常に単純で、サスコメ(サスペンスコメディーの略。いま思いついた。)の割には結末が序盤で読めてしまうし、歌はあまり上手ではないし、そういった視線で評価してしまうと『駄作』になってしまう。

ただ、個人的にはカトリーヌ=ドヌーヴが出演しているのである意味観る価値はあるのかと。

8195fe3bjpeg1961年の作品。
当然、全編が白黒で音声もモノラル。

いわゆる「映画」という言葉で僕たちが想像する、リアリティーに溢れ、イメージを自然に喚起してくれるものではない。

本を読むときの感覚に似ていると言えばよいのだろうか。

観るものが、それぞれの感覚によって解釈を施し、色をつけ、イメージをふくらませる。

あらゆるものが「便利」になり、それを当然と思う現代では、ある意味で必要な映画なのではないかとも思える。


さて、この映画、一言で述べるならば「イライラするような三角関係の話」である。

原題の「JULES et JIM」というのはジュールとジムという二人の男のこと。

彼らは小説家であり親友でもある。同じ女を好きになり、そこから物語が展開してゆく。


フランス映画にありがちな、恣意的な難解さはない。すべて単純で、そしてもどかしく、自分自身の中にもある同じような弱さをそこに重ね合わせてしまう。

だからこそイライラするのだろう。

とにかく、弱い人間像を楽観的に明るく描いたこの作品、時間が余ったときに観てみることをお奨めする。

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監督のフランソワ=トリュフォーは、「未知との遭遇(S.スピルバーグ:1977)」に出演している。興味のある人はどうぞ。

fd808552jpegまともな人間は観ないほうがいいと思う。

というのも、きちんとした生活ができている人には何の魅力もない映画だから。

人間は弱い。

とても弱い。

自分がまともな生活ができているのは、そういう環境に生まれたからであって、偶然に過ぎないのに、高いところから「正しいこと」「理想論」を語る人たちは、この弱さを理解することができないと思うし、一生汚いもの、「悪い」ものから離れて暮らせばいいと思う。

だけれども、こういう世界が(多少のデフォルメは当然あるにしても)実際にあることを認識し、HIVやコカインもリアルなものとして捉えることができるなら、きっと何か考えるところがあるはずだ。

娯楽映画としての楽しみは、ベグビー役のロバート=カーライルのキレ役。
ユアン=マクレガーが評価されがちだが、存在感として明らかに重みがない。まぁ、こんな人間はたくさんいそうだが。

何の解決も提示しない映画であり、映像と音楽(イギー=ポップ、ルー=リード)を楽しむものかもしれないが、完全な娯楽映画でないことだけは確かだ。

a6e3ce60jpeg 原題は「Bonnie and Clyde」。刑務所帰りの男クライドと、人生に退屈していたウェイトレスのボニーが、銀行強盗をする物語。

 クライドにはウォーレン=ビーティー、ボニーはフェイ=ダナウェイ、クライドの弟役バックにはジーン=ハックマンと、豪華なキャスト(と言っても、この映画がきっかけでブレイクしたのだが)を揃えている。

 

 ラストシーン。ボニーとクライドが87発の弾丸を受けて踊るように死んでゆく。そこで「THE END」。

 ウォーレン=ビーティーがかっこよすぎる。

 

 この映画は1930年代のアメリカで実際にあった事件を元にしている。

 1930年代といえば歴史の教科書にものっている「世界大恐慌(1929~)」の真っ只中であり、アメリカ全土に失業者が溢れていた。その責任を権力や体制に求める民衆は、新聞を賑わす連続銀行強盗「ボニーとクライド」を、ヒーローとして扱ったのである。

 法体制とその運用システムが確立していない時代。その中に見える人間の本質が、現代に失われてしまった個の輝きを映し出している。

 平等と忍耐、権利と義務、行動と評価、そういったものを僕たちはどう捉えるべきなのか。改めて考えさせる作品だ。 



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