「イギリスの炭鉱町もの」は総じて好きなのだが、それはきっと世の中の遣り切れなさを根底に含んでいるからだろう。
そこに諦めと怠惰、退廃、怒り、そして少しの希望が加わると、きっと等身大の人間というものが見えてくる。
頑固で田舎者で根っからの炭鉱夫である父と兄。
「男がバレエなんてもってのほか」
それでも、11歳のビリーに自分たちと同じような夢のない生活をさせたくないと、プライドと信念を捨てて協力する。
その過程がとてもよく表現されていた。
踊りを見せて父を説得しようとするビリー。
スト破りをしてまでお金を工面しようとする父。
特待生の合否結果を待ちきれない家族。
そこには愛がある。
そう思えた。
ラストの1シーンだけ時間を飛ばしているのも少々強引だが可。
いい作品だ。
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