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~古今東西の映画レビューを若干辛口で~
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af6a2d88jpegジョン=ヴォイトが若い。

戦後オデッサという秘密結社によって名前や身分を変え、普通に生活している元SS隊員たち。

ユダヤ人収容所で数万人を虐殺したロシュマンもその一人。

フリーライターとして半ば自堕落な生活をしていたミラーは、ガス自殺をした老人の日記から、ロシュマンの存在を知る。

イスラエルの諜報機関に協力してまで執拗にロシュマンを追うミラー。

果たしてそれは正義感や功名心からくるものなのか、それとも…。

最後に合点が行く面白いストーリー。

ただ、ヴォイトの男臭さはまだ発揮されていないようだ。

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b13cb789jpeg1980年代の中南米エルサルバドルにおける内戦を、少年チャバを中心にして描いた力作。

いわゆるスラムの粗末な木造の家の中を銃弾が飛び交い、子供達はうずくまって耐える。
どれだけ身を低くしても、どれだけ身を縮めても、銃弾を防ぐものなど何もない。

12歳になれば政府軍に徴用される。
あるいはその前に農民ゲリラに参加するか。
それが彼らの現実であった。

それでも、子供達は無邪気に遊び、かわいらしい恋をする。
明るい未来など待ってはいないのに。

必然として起こる戦争はあるが、正しい戦争などどこにもない。
だからこそ、僕らは戦争を起こさぬよう、そして戦争に加担せぬよう、他の何かを犠牲にしてでも努力せねばならない。


同時期に公開された「ホテルルワンダ」と比較されることが多いが、かの作品とは全く異質のものであり、戦争というものの本質をより深く掘り下げたものとなっている。

この平和な日本で暮らしている全ての人、そして特に右翼的傾向を持つ人に、ぜひ観て欲しい作品だ。

1d19e87ajpeg主演は「ショコラ」のジュリエット=ビノシュ。

普通。
平たく言えば、「つまらない」。
きっとマニア向けに発信しているのだろう。
だから、一般人の僕には面白いと思える要素があまりない。

シーンがポンポン飛び、その繋がりが分かりにくい。
くどくど分かりやすいように説明する映画もどうかとは思うが、手法としてこういった「分かりにくさ」をスタイルとして打ち出すような作品は、少々鼻につく。
つまり、「ポップを気取ったポップ」だからだ。

理解を求めないのなら、内輪でやっていればよろしいと思うのだ。


こういったスタイルは、それを理解できると思っている一部の人達には受けが良い。
いわゆるマニアの人達に。
そしてこのハネケ監督は教祖様だ。

もっと普通の映画が観たくなった。

0a18f3f3jpegもしこれが「マゾの宅急便」だったら。
箒から落ちたり、お届け先でネチネチと小言を言われたり、そういったことに快感を覚えるのだろう、きっと。

と、不謹慎なことを考えていたのだが、ちょっとネットで検索してみると出るわ出るわ…。
やはり同じことを考える人はたくさんいるのだな。


そんな薄汚れた大人になってしまった僕にも、この作品は感動を運んでくれる。

キキが街へ出て、子供から大人へ変わる数日間を切り取ったこの作品。

「なんとなく飛べる」から「飛びたいから飛ぶ」への変化は、僕らが成長してきた過程とかぶるものがある。

できることを普通にしているだけでは、人は成長しない。
できないことをできるようにするから、人は成長するのだろう。

ふとしたことから魔法が弱くなり、飛ぶこともジジの言葉を聞くこともできなくなったキキが、友達のトンボを助けたいと願い、デッキブラシで空を飛ぶ。
そして見事に空中でトンボをキャッチ。

このシーンは何度観ても心地よい。


ジジの言葉は結局聞けるようにならなかったのだけど、それは僕たちが少年少女時代に置いてきたいくつかの感性を表現しているのかもしれない。

懐かしい気持ちにさせてくれる映画だ。

6730c900jpegこれもまた微妙な仕上がり。


オリジナルと比べると、タイムパラドックスについて配慮してあるのだが、やや詰めが甘い。

信長になって歴史を修正しようとした的場と、結局は他の人物を信長に仕立て上げた鹿島。
どっちもどっちではないのか?

分かりやすい正義を表現するだけが映画ではないが、分かりにくいなら分かりにくいなりにもう少しきちんと詰めてほしいのだが。


これもまた戦闘シーンを撮りたかっただけの映画なのかもしれない。
残念。



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