~古今東西の映画レビューを若干辛口で~
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 若い二人の恋の物語。・・・ではあるが。 全編を通じて流れるサイモン&ガーファンクルの素敵なメロディーと、あまりにも有名なラストシーンのおかげで、この映画には純愛のイメージが付きまとうが、そんなものではない。 不倫あり、ストーカー行為あり、全くもって純愛とはかけ離れたものなのだ。
そしてあろうことかその娘エレーンに恋をし、不倫関係は周囲に知られるところとなり、本当にぐだぐだになってゆく。
最後の教会からエレーンを連れ出すシーン。そしてバスに乗った二人の、喜びと不安の入り混じった表情。バックに流れるのは「Sound of Silence」 「映画を観た。」という後味を心地よく残してくれる作品だ。
PR いわゆる「映画」という言葉で僕たちが想像する、リアリティーに溢れ、イメージを自然に喚起してくれるものではない。 本を読むときの感覚に似ていると言えばよいのだろうか。 観るものが、それぞれの感覚によって解釈を施し、色をつけ、イメージをふくらませる。 あらゆるものが「便利」になり、それを当然と思う現代では、ある意味で必要な映画なのではないかとも思える。
原題の「JULES et JIM」というのはジュールとジムという二人の男のこと。 彼らは小説家であり親友でもある。同じ女を好きになり、そこから物語が展開してゆく。
だからこそイライラするのだろう。 とにかく、弱い人間像を楽観的に明るく描いたこの作品、時間が余ったときに観てみることをお奨めする。 ----- 監督のフランソワ=トリュフォーは、「未知との遭遇(S.スピルバーグ:1977)」に出演している。興味のある人はどうぞ。 というのも、きちんとした生活ができている人には何の魅力もない映画だから。 人間は弱い。 とても弱い。 自分がまともな生活ができているのは、そういう環境に生まれたからであって、偶然に過ぎないのに、高いところから「正しいこと」「理想論」を語る人たちは、この弱さを理解することができないと思うし、一生汚いもの、「悪い」ものから離れて暮らせばいいと思う。 だけれども、こういう世界が(多少のデフォルメは当然あるにしても)実際にあることを認識し、HIVやコカインもリアルなものとして捉えることができるなら、きっと何か考えるところがあるはずだ。 娯楽映画としての楽しみは、ベグビー役のロバート=カーライルのキレ役。 何の解決も提示しない映画であり、映像と音楽(イギー=ポップ、ルー=リード)を楽しむものかもしれないが、完全な娯楽映画でないことだけは確かだ。 |
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