オリジナルは1942年製作。
僕が観た中ではもっとも古い作品。なんせ第2次世界大戦中に撮られたものだから。
まずは客観的に。
ハンフリー=ボガートとイングリッド=バーグマン。ナイスカップルである。現実にそんな組み合わせが存在するかどうかは別として。
舞台はフランス領モロッコだが、そこでナチスに迎合しながらも心は折れずに小さく抵抗を続ける市民の姿。ファシズムに対する戦時中のプロパガンダだろうか。
「君の瞳に乾杯」「そんな昔の事は覚えてないさ」「そんな先のことは分からない」など、とにかくセリフが寒い。今、そんなセリフを言ったら、周囲100メートルくらいが凍りつくだろう。
そして主観的に。
素敵だ。
とにかく素敵だ。
恋愛映画としてではなく、男のもろさとその奥にあるものを見つめる映画として。
男として、譲れない部分。守るべきもののために、普段は隠している男の部分。それでも最後の一線だけは譲れない。
男性諸君、「ラ・マルセイエーズ」と「署長」。この二つのキーワードを頭の片隅に置いて、ウイスキーでもやりながら観てくれ。
余談ではあるが、寺沢武一の「コブラ」はこの映画の影響を強く受けている。コブラ好きな方は是非。