 ピーター=ストーメアは好き。
ピーター=ストーメアは好き。 
『アルマゲドン』ではロシアの宇宙飛行士役、『プリズンブレイク』ではアブルッチ役で出演しているが、多彩な役柄をこなせる名脇役。 
本作でも、妻に逃げられ、改心(したふりを)し、受け入れられず、やけになって放火、最後には村から追放されるというなかなか面白い役どころ。 
『ポネット』のヴィクトワールちゃんが成長していて驚いた。 
『ポネット』当時は3歳。 
本作では8歳か。 
「ヨヨット…」あのかわいらしい舌足らずの台詞が脳裏をよぎる。 
ジョニー=デップは少々浮き気味。 
これは僕の中での彼像がその知名度とともに固定してしまったからかもしれないが。 
主演のジュリエット=ビノシュは微妙なので何とも言いがたい。 
ストーリーとしては面白い。 
1960年代のフランスの片田舎を舞台として、古い伝統に固執する人たちといわゆる「よそ者」を対比させて面白く描いている。 
古い伝統というものは欧米の場合には往々にしてキリスト教、教会を軸に成り立っているもので、本来は「愛」がそこにあるはずなのに、伝統や慣習がそこから「愛」を消し去ってしまい、排他的な集団を作り上げてしまう。 
それが人間の性なのかもしれないが、何かのきっかけで新しいものを受け入れるとき、そこでまた「愛」の姿というものを再認識する。 
作中でそれに気づいた神父が言う。 
「何を禁じるか、何を否定し排除するかではない。 
何を受け入れるかだ。」 
村長が興奮してみんなの作ったチョコをめちゃめちゃにし、それを見つけたときのヴィアンヌ。 
この許容のシーンが、本作のクライマックスだったのだろう。 
それにしてもおいしいチョコが食べたくなる作品。ホットチョコレートも魅力的。 
冬に観たい1本。