「セブン・イヤーズ・イン・チベット」のジャン=ジャック=アノー監督。
第2次世界大戦中、スターリングラード(現ボルゴグラード)戦でのスナイパー同士の一騎打ちを描く大作。
ジュード=ロウとエド=ハリスの男が匂う。
だが、やはりエドのほうにより男を感じるのは、そこにSEXが入り込まないからだろう。
エンターテインメント的な要素として恋愛を持ち込むのはいいのだが、この作品に果たしてそれが必要だったのか。
最後のお涙頂戴の再会シーンも、男の一騎打ちの余韻を汚すものでしかないと思うのは僕だけではないだろう。
作中のダニロフは言う。
「人間は変わらない。自分にないものが欲しくなる。人間の社会ではソビエトでさえ貧富の差が生まれる。才能のある者。ない者。愛に恵まれるもの。恵まれないもの。」
確かにそうだ。
でも、あんなにあっけなく自分の命を差し出せるわけはないだろう。
メインテーマとところどころに光るいいシーン。
だがやはりアノー監督らしい中途半端な作品になっている。残念。